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出版本「見えない世界で見えてきたこと」と、著者の石井健介さん=2025年8月8日午後1時、千葉県館山市の風六堂、熊谷姿慧撮影

 千葉県館山市在住の石井健介さん(46)が、視力を失ってからの9年間をつづった著書「見えない世界で見えてきたこと」が5月に出版された。石井さんは、視力を失った絶望を乗り越え、見えない経験を生かして、見える世界と見えない世界をつなぐ仲介者「ブラインド・コミュニケーター」と名乗って活動している。

 石井さんは、フリーランスで営業やPRなどの仕事をしていた36歳のある日、朝起きると目が見えなくなっていた。2人目の子どもが生まれて間もない頃。多発性硬化症という難病で、脳の中枢神経などが炎症を起こし、視力障害が出た。

 働き盛り。元々見えていたからこそ、見えなくなった絶望は大きかった。見舞いに来てくれる友人や、入院仲間の存在もあり、徐々に「見えない」ことを受け入れていった。

 退院後も、これまでできてい…

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