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朝鮮人慰霊のため1985年に建立された鐘楼の塗り替えを進める職人と呉充功監督(中央)=2025年5月3日午前11時7分、千葉県八千代市の観音寺、北野隆一撮影
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 関東大震災の際に虐殺された朝鮮人を慰霊するために千葉県八千代市の観音寺で40年前に建てられた鐘楼の補修が進んでいる。日韓で寄せられた募金をもとに、4月には韓国から文化財の修繕などに携わる職人が来日し、作業を進めている。

 1923年の震災では、デマにあおられた自警団などにより、多数の朝鮮人や中国人らが殺害された。千葉県内では、軍が保護するとの名目で朝鮮人ら約3千人が習志野の施設に集められたが、一部が自警団に引き渡され、八千代市などで殺された人もいたという。

 史実を知った韓国の劇作家らが85年、寄付を集めて殺害現場に近い観音寺に鐘楼を建て、慰霊の鐘を贈った。鐘楼には韓国式の色鮮やかな「丹青(タンチョン)」で文様が描かれた。しかし建造から時間がたち、柱や瓦は色あせてひびが入り、東日本大震災で柱がずれた箇所も出てきた。

韓国で瓦を焼き、日本の宮大工も補修

 そこで鐘楼を建てた関係者の…

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