首都圏の朝鮮学校で、日本の大学生が模擬授業をする取り組みが進められている。教育に関心を持つ学生にさまざまな教育現場を知ってほしいと、大東文化大学(東京都板橋区)が2022年に始めた。3年目の24年9月下旬も、2人の学生が在日コリアンの児童や教職員と5日間を過ごした。授業の体験を通じて学生たちは、何を感じたのだろうか。
さいたま市大宮区の埼玉朝鮮初級学校(小学校、全校児童79人)。文学部教育学科3年の金子晴南(はるな)さん(21)は、受け持った授業で6年生の児童7人に呼びかけた。「朝鮮学校の児童として、新聞に投書をしてみましょう」
投書の題材探しから始めた。どんな内容にするのか、どんなエピソードを盛り込むのか――。児童一人ひとりとじっくり話をした。
ハッとさせられた実体験
そんな中、1年間だけ日本の…