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老舗喫茶店「トルー」の海自カレー。創業以来人気の「ハンブルク風ハンバーグステーキ」のパテでゆで卵を包んだ=らづ―Biz提供

 【千葉】海上自衛隊の基地で隊員が食べるカレーを、地元の店が「海自カレー」として売り出す動きが広がっている。横須賀(神奈川県)や呉(広島県)だけでなく、海自の航空補給処がある木更津にも誕生した。ゆで卵を牛ひき肉で包み、蒸し焼きにした「フーカデンビーフ」を使う。19日から販売し、全国区をめざす。

 市産業・創業支援センター「らづ―Biz」と木更津商工会議所が海自と協力した。その名も「木更津『海自』フーカデンビーフカレー」。きっかけは、らづ―Bizと海自が自衛官の募集について話し合っているときだった。「地域に貢献して知名度を上げれば、採用増につながるのでは」。ご当地グルメになる海自カレーを考案することにした。

 着目したのが、旧海軍の代表的な洋風料理「フーカデンビーフ」。1908(明治41)年発刊の「海軍割烹(かっぽう)術参考書」を読んでいた、らづ―Bizの前田正浩さんの目に留まった。参考書に写真はなく、海自と想像して作り、カレーに仕立てた。昨年12月から、海自が「カレーの日」にしている金曜日に提供すると、好評を得た。

 販売する店を募集し、木更津ワシントンホテルのレストランからキッチンカーまで、9店が集まった。レシピは自由で、海自とらづ―Bizの認定を受ける。航空補給処の猪森聡彦処長は「地域振興にカレーを生かせるのはうれしい」と話す。

 県内でも海自カレーは広がりつつある。館山航空基地のある館山市では昨年、飲食店が「たてやま海自カレー」の提供を始めた。コンセプトは「職務に励める元気が出るカレー」で、牛乳とサラダをつける。

 木更津市と海自などは19日から、三井アウトレットパーク木更津で「海自」フーカデンビーフカレーフェスティバル in KISARAZUを開く。28日まで。(堤恭太)

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 〈海自カレー〉 旧海軍は海上生活で曜日感覚を失わないために、土曜日にカレーを食べる習慣があった。海上自衛隊にも引き継がれ、週休2日制になってからは金曜日を「カレーの日」にした。各基地でレシピに特徴が出たことから、地元の店と協力して地域発のグルメとして売り出した。

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