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 阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で7日に開幕する第106回全国高校野球選手権大会の組み合わせ抽選会が4日、大阪市のフェスティバルホールで開かれた。木更津総合は大会第4日の第2試合(10日午前10時35分予定)で神村学園(鹿児島)と対戦することが決まった。決勝は23日の予定。(杉江隼)

 木更津総合の川上泰輝主将(3年)は、抽選会前に青山茂雄・責任教師から渡された5円玉を左手で握りしめ、祈りながら順番を待っていた。「甲子園優勝につながる組み合わせになりますように」

 予備抽選で決まった川上主将の抽選順は22番。「夏の千葉大会の抽選会も、引く順番も引いた数もぞろ目だったのでびっくり」

 抽選会が中盤にさしかかり、客席にいる仲間の表情にも緊張感が漂う。木更津総合の名前が呼ばれ、川上主将は直前まで5円玉を握りしめた左手でくじを引いた。

 「11番A」。隣には鹿児島県代表の「神村学園」の看板が掛けてあった。

 同校は昨夏の選手権大会で4強入り。当時のメンバーも10人残り、今春の選抜にも出場した。対戦経験がなく、川上主将は「友人から強いチームだと聞いていたし、すごく打つ印象がある」。

 ただ、抽選会前に仲間からは力強い言葉をもらった。投手陣の柱の一人、石沢順平選手(3年)は「強い相手の方が気持ちが入る」と川上主将に声を掛けたという。抽選後、五島卓道監督も「(相手は)力があるので向かっていきたい」と語気を強めた。

 昨秋と今春の県大会の悔しさを胸に、夏の千葉大会を戦ってきた。今年のチームテーマは「やってやる!」。川上主将は「初球を振ってとか、びびらず内角に投げるとか、『やってやる』という気持ちがあるから良いプレーにつながってきた。相手チームを倒すという強い気持ちでいきたい」と意気込んだ。

 木更津総合は神村学園に勝てば、10日の第1試合に予定される中京大中京(愛知)と宮崎商の勝者と大会第9日の第1試合で戦うことになる。

神村学園(鹿児島代表 2年連続7回目)

 昨年は初の4強入り。そのときのメンバーが10人残り、今年は優勝をめざす。

 鹿児島大会のチーム打率は4割3厘。5試合で42得点し、失点は初戦の3点だけ。圧倒的な強さで勝ち上がった。

 打線は、18歳以下日本代表候補の4番正林輝大を中心に1番から9番まで切れ目がない。5番岩下吏玖ら3人が打率5割以上を記録した。1番増田有紀は選球眼がよく四死球7を選んだ。

 エースの左腕今村拓未は、決勝で完封勝ちするなど20回余を投げて無失点。直球は最速144キロ。スライダーやカーブ、フォークを投げ分ける。2年生の右腕早瀬朔は、準決勝でコールドとなった5回を投げて無失点。140キロ超の直球を軸に緩急をつけて揺さぶる。

     ◇

 木更津総合・川上泰輝主将 1回戦から強い相手と当たった。うちの投手なら大丈夫。信じている。守りからリズムを作って、良い流れで試合を進めたい。試合中は勇気がいることもたくさんあると思うけど、「やってやる!」という気持ちで、攻めるプレーにつなげたい。

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 木更津総合・五島卓道監督 九州勢との試合は2回目。甲子園でなきゃ試合をすることもない。相手は打ち勝つイメージが強い。甲子園経験もある。うちはロースコアでしか勝てないだろう。投手は夏で自信がついた。殻を一つ破ったので、楽しみ。ひるまずにやってほしい。

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 神村学園・川下晃汰主将 千葉大会を勝ち抜いた手ごわいチーム。盗塁が多いのでしっかり守り、守備の時間を短くしてリズムをつくりたい。これから相手を詳しく分析して準備を進める。コロナが流行しているので、体調管理に気をつける。

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 神村学園・小田大介監督 戦国千葉を勝ち抜いてきただけに、かなり手ごわい。監督さんも経験豊富だ。変則的な投手と本格派がいて四死球で崩れない。上位打線に力があり機動力もあるので、うちはまず守りからリズムをつくりたい。

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