WOWOWで放送中の「連続ドラマW I, KILL」(日曜午後10時、WOWOWオンデマンドでも配信中)は、松竹京都撮影所とタッグを組み、「時代劇」と「ゾンビ」を融合させた異形のサバイバルスリラーだ。世界発信ももくろむ本格作品の見どころを、主演の木村文乃や制作陣に尋ねると、並々ならぬ「ゾンビ愛」があふれだすのだった。

「I,KILL」第2話から=WOWOW提供

連続ドラマW I, KILL

鎖国前夜の日本に現れた、「群凶」と呼ばれる人食いの化け物。怪物たちと向き合う人々の姿を通じて、生と死という普遍的なテーマを描く。主演の木村文乃と田中樹のほか、山本耕史、富田靖子らが出演。記事後半では、「日本特有のゾンビ表現」を生み出すに至った、制作陣のこだわりの数々も紹介します。

「ゾンビ作品なのに生きることにフォーカス」

 関ケ原の戦いから30年余り、鎖国前夜の日本に突如、「群凶」と呼ばれる謎の化け物が現れる。全6話の物語は、生きた屍(しかばね)として人を食らう群凶と対峙(たいじ)する人々の姿を通じて、生と死、親子といった普遍的なテーマを描く。

 「もともとサバイバル映画が好きで、日本発のこうした作品の世界に入れることがうれしかった」。そう語る木村が今作で演じるのは、忍びだった過去を隠しながら生きるお凛。血のつながらない娘トキを守るため、再び刀を握り、壮絶な世界を駆けまわる。

 京都・太秦での撮影は昨秋から約2カ月にわたって実施。特殊造形を施した群凶たちとのアクションも自ら演じたが、何より過酷だったのは「周りに『死』しか見えない世界で生き抜くことだった」と振り返る。

 「壮絶な状況だからこそ、普…

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