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田園風景が広がる島根県奥出雲町を走る木次線の列車=2024年5月30日午前10時26分、島根県奥出雲町、堀田浩一撮影
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 島根県奥出雲町にあるJR木次線の「スイッチバック」が大きな岐路を迎えようとしている。木次線の出雲横田(同町)―備後落合(広島県庄原市)間の29.6キロについて、JR西日本が5月、沿線自治体と今後のあり方を議論したいと表明したためだ。この区間にあるスイッチバックを「重要な観光資源」と位置づける町内では、「なくなるかも」と不安が広がっている。

 スイッチバックとは、列車の前後を切り替えながら急勾配を上がっていく仕組み。木次線にあるのは2カ所で折り返す「3段式」と呼ばれるもので、全国でも珍しい。

 出雲坂根駅(同町)から、JR西管内で最も高い所(標高727メートル)にある三井野原駅(同町)まで、標高差約160メートルをジグザグに進んでいく。登り切ると、中国山地の峰が連なる大パノラマが登場する。

 だが、出雲横田―備後落合間の利用は大きく低迷している。JR西によると、2022年度の輸送密度(1キロあたりの1日平均利用者数)は54人。JR西の赤字ローカル線の中では2番目に利用が少ない線区で、1998年度と比べて約4割減っている。

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