(17日、プロ野球 読売ジャイアンツ1―9横浜DeNAベイスターズ)

 ベンチに戻った読売ジャイアンツ(巨人)の田中将大の目つきは厳しかった。ふがいない投球に怒っていた。2回で7安打、6失点。DeNA打線にめった打ちにされて、52球で降板した。

 「今日はネガティブな言葉しか出てこない」。暗い顔つきだった。

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 巨人の11番を背負い、公式戦では初めて上がった東京ドームのマウンド。

 一昨年秋に右ひじを手術した36歳は、かつてのような150キロを超える直球で、相手をねじ伏せる投球はできない。変化球で打者を打たせて取っていけるかどうかが、今は生命線だ。

 この日も、直球を見せ球に、変化球でかわしていく組み立てだった。

 ところが、DeNAの各打者は、際どいコースでも直球にはぴくりとも動かない。一方、甘く入った変化球を狙い打ちされた。

 最初の3失点。一回の牧秀悟の右前適時打、佐野恵太の中犠飛、二回の三森大貴の中前適時打はいずれも変化球をはじき返された。

 三森に打たれた直後。捕手の甲斐拓也が田中将に駆け寄り、配球は変わった。

 ただ、威力のないストレートでは、相手を怖がらせることができない。続く度会隆輝、牧には、いずれも外角の140キロ台を適時打にされた。牧は「とにかく甘い球を(打つ)」と臨んだと明かした。

 2週間ぶりの登板。

 「長い準備期間があったなかでかなり迷惑をかけた。思うように投げられていないのが現状。やっぱりコントロールが」。

 日米通算198勝の右腕に、厳しい現実が突きつけられた。次回登板まで10日以上空くため、出場選手登録を抹消される見込みだ。

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