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札幌ドーム。2024年度はネーミングライツ契約の締結で相性が「大和ハウスプレミストドーム」となった=2024年7月、札幌市豊平区
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 大和ハウスプレミストドーム(札幌市豊平区)を運営する札幌市などが出資する第三セクター「札幌ドーム」の2024年度決算は、純利益が4200万円となり、2期ぶりの黒字となった。23日、札幌市内であった株主総会で報告された。

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 ドーム社を巡っては、プロ野球・北海道日本ハムファイターズが「エスコンフィールド北海道」に本拠地を移転した影響が初めて出た23年度決算で、想定の倍以上にあたる6億5千万円の純損失を計上。収支改善が課題となっていた。

 24年度は、年度途中で大和ハウス工業との年間2億5千万円のネーミングライツ契約が新たにまとまり、8カ月分の広告収入が得られた。日本ハムの本拠地移転で試合がなくなり、低迷していたイベント開催日数も、前年度比31日増の129日まで回復。eスポーツの世界大会が初開催されるなど新規イベントも相次ぎ、貸館事業の売上高は前年度比で47.1%増となった。

 24年度の黒字額は、22年に公表された「23~27年度収支見込み」で想定された黒字額(3100万円)を上回った。

 ただ、楽観視はできない。本業のもうけを示す営業損益は5600万円の赤字だった。

 札幌ドームは、アマチュア大会の開催支援のため、主催者の使用料を9割減免している。23年度までは減免分を市とドーム社が半分ずつ負担していた。

 24年度の減免は、20日分で計1億6800万円にのぼった。ただ、ドーム社の収益悪化で、このうちの8400万円は、ドーム社の過去の利益を積み立てた市の基金から取り崩してまかなった。こうした「暫定措置」がなければ、赤字を脱却出来なかった可能性はある。

 23日の株主総会では、新たに元JTB北海道広域代表の阿部晃士氏(56)が社長に選任された。

 阿部氏は会見で「第二の創業…

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