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里塚斎場の共用ロビー。特別控室を使わずこのロビーで待機する遺族らが増えている=札幌市清田区、日浦統撮影
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 札幌市が約半世紀ぶりに、市民の火葬の有料化に乗り出す。1975年の無料化以降、会葬者らが使う特別控室の使用料で収入を確保してきたが、近年は火葬に立ち会う人数が減り使用率が低下。増収策を迫られている。市営霊園の維持管理費の徴収と併せて今年度中に関連条例を改正し、2026年度の導入を目指す。多くの市民が寿命を迎える「多死社会」の到来で、無料の行政サービスを見直す流れはこれからも加速しそうだ。

 市内の火葬場は里塚斎場(清田区)と山口斎場(手稲区)の2カ所。1件1千円だった火葬料を無料化した1975年は、高度経済成長やアジア初の冬季五輪の余韻がまだ残っていた。市民の平均年齢は若く、火葬件数は年5千件程度だった。市の人口増とともに件数は増えて、現在は約2万6千件。このまま高齢化が進めば、2054年度には約3万2800件になると見込まれている。

 かつては多くの遺族らが火葬に立ち会ったが、最近は葬送の小規模化もあって減少。特別控室は使わず、共用の待合ロビーを使う遺族も増えている。かつては7割超だった特別控室の使用率はこの10年で急速に低下。2020年度は53.9%まで落ち込んだ。

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