札幌市職員が2023年度に長谷川岳参院議員(自民)との面談を含む目的で東京に出張していた回数が延べ284回(約2千万円)にのぼることがわかった。うち延べ72回(約460万円)は長谷川氏との個別面談のみを目的としていた。他の道内選出国会議員と比べ、突出していた。
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長谷川氏を巡っては、札幌市が金融特区をめざすGX(脱炭素化)などの意見交換のため職員が東京出張を繰り返したことが明らかになっており、市が全部署を対象に調査していた。
23日、定例会見で秋元克広市長は「他の国会議員の方との面談に比べ、長谷川参議との面談の回数は多い」と認めたが、「特に問題があるという認識はない」との見解を改めて示した。
市は昨年度、GX(脱炭素化)金融・資産運用特区の国への提案など「打ち合わせの項目が非常に多かった」(秋元市長)ことが出張増につながったとしている。
発表資料によると、全部署の北海道選出の国会議員との面談を含む1年間の延べ出張回数は293回。長谷川氏と面談した284回のうち、212回は他の国会議員との面談、関係省庁・関連企業との打ち合わせなども兼ねていた。
残る72回の長谷川氏との個別面談は「札幌市の政策の説明要望に関わるもの」で、「必要がないのに出張を余儀なくされたケースや約束の日時に不在で面談できなかったケースはない」としている。他の国会議員との面談回数も調べたところ、長谷川氏の284回に次ぐ議員で23回だった。
「ハラスメント対応に弱い部分が」
長谷川氏を巡っては、札幌市の職員が威圧的と感じる言動を受けたことが明らかとなっている。
秋元市長はこの日の会見で「札幌市は、国会議員など、外部の方からのハラスメント対応に弱い部分があった」と認め、再発防止に早急に取り組むことも明言した。今後職員がハラスメントにあたる言動を受けた場合、相手の了承を得て会話を録音・記録していくことなどを検討する。
対象は国会議員だけでなく、市議や一般市民なども想定する。長谷川氏からはすでに了承を得ていることも明かした。(原知恵子)