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記者会見でノースサファリサッポロに関する質問に回答する秋元克広・札幌市長=2025年3月25日午後2時0分、札幌市、日浦統撮影

 札幌市の秋元克広市長は25日の定例会見で、都市計画法違反(無許可建築)に問われ、9月末までの閉園を決めた民間動物園のノースサファリサッポロ(札幌市南区)に対し、3月中に飼育する動物の移動計画の提出を求めている、と明らかにした。期限までに提出がない場合「立ち入り検査やヒアリングなどの行政指導を行う」としている。

 市は、サファリの敷地内にある150棟の違法建築物の除却(撤去)命令を出すことを検討しているが、命令は動物の移動が大前提となる。3月中の提出を求める理由について、秋元氏は「建物の除却処分を考えるうえで動物の移動計画は関連性が深い」と説明した。

 開園前の2004年から市がサファリに行政指導を重ねてきたにもかかわらず20年以上改善しなかった点について、秋元氏は「もっと早い段階で処分を検討すべきだった」と反省。そのうえで「市街化調整区域の違法建築物はたくさんある」とも指摘し、早期に除却命令を出せるように役所内で具体的な基準づくりを始めたことも明らかにした。「営業の有無や建物の規模などに応じた基準」になるという。

 サファリ側はHPで「動物の安全と福祉を最優先に考え、適切な環境での管理を継続するため、慎重に対応を進めている」としているが、秋元氏は「移動時に届け出や許可が必要な動物もあり、市もしっかり対応していく」とし、監視を緩めない方針を示した。

 ノースサファリサッポロはライオンやトラなど150種ほどの動物を飼育・展示している。動物と近距離でふれあえるのが特徴で、テレビのバラエティー番組にも登場した。ただ、最近はネット上で、こうした飼育展示が動物福祉の観点から不適切とする批判も出ている。

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