福岡県柳川市の私立杉森高校が2026年4月1日から、校名を「福岡キャリアi(アイ)高等学校」に変更する。同校を運営する学校法人杉森学園が発表した。法人名も「学校法人岩本学園」に変えるという。県は1日付で校名変更を受理した。
岩本初恵理事長と金丸敏雄校長が6月18日に開いた記者会見では、校名変更の経緯などを説明した。県外から広く生徒を募集するため、校名に「福岡」を採用。さらに、今年6月で創立130周年を迎えた伝統を重んじて、生徒のキャリア形成を重視している点や、生徒を愛する学校になるという意味で「i」を入れたという。
岩本理事長は「これからも守り続けていくべきもの、時代に応じて変化させるものがある。少子化問題、生徒募集における課題を経営の観点から考慮した」と説明。給食無料化を目指していることや現在使えない体育館の改修工事に入る意向を明らかにした。
ただ、校名の変更について卒業生や保護者らから反対の声もある。「杉森の将来を考える卒業生の会」(山下美香共同代表)は4月下旬から見直しを求めて署名活動を実施。集めた計8092筆を同校に提出しようとしたが、受け取りを断られたという。
岩本理事長は美容・健康食品販売などを手がける「愛しとーと」(同県那珂川市)の代表取締役兼CEO。理事長には23年12月に就任し、24年1月の記者会見で「生徒数を増やすもの私の役目。県外、海外からも入学してもらい活性化したい」と話していた。