東京ヤクルトスワローズが早くも苦境に立たされている。7日の広島戦(神宮)に敗れて負け越し数は今季最多の7に。首位の巨人、阪神には5・5ゲーム差。9日からの本拠での巨人3連戦が序盤のひとつのヤマになりそうだ。
- 好投続くヤクルトの荘司宏太 壁にぶつかっても「だるま」のように
7日の広島戦は七回までに2度リードを許したが、攻撃陣がいずれも同点に追いつく粘りを見せた。ただ、九回に、開幕から11試合連続無失点で6セーブをあげていた石山泰稚(たいち)が、堂林翔太と菊池涼介にソロ本塁打を浴びて敗れた。
8日には新人ながら、石山と同じく開幕から11試合連続で無失点だった中継ぎ左腕の荘司宏太が、出場選手登録を抹消された。7日の試合でもベンチを外れており、何らかのアクシデントがあったと見られる。
主力に故障者が続き、現在の戦力で白星を重ねるのは難しい。ここ1カ月間、連勝がない。
昨季、本塁打王と打点王の2冠に輝いた村上宗隆が3月中旬に脇腹を痛めて離脱。先月17日の阪神戦(神宮)で復帰したものの、その試合で再発させた。昨年、最多安打のタイトルを獲得した長岡秀樹は先月26日の試合中に右ひざの後十字靱帯(じんたい)を損傷して離脱。リードオフマンとして期待された塩見泰隆も、昨年に重傷を負った左ひざを再び痛め、再手術を受けた。そのほかにも、しぶとい打撃が売りの丸山和郁が右手首を骨折して手術を受けた。
高津監督は故障者の状況について「野手に関してはあまりいい報告はないかな。実戦復帰のめども立っていない」と話している。
チーム防御率はリーグ最低の3・65。打率は2割2分3厘でリーグ4位だが、昨季リーグ1位だった本塁打数が今季はリーグ最少の8本だ。村上の穴は大きく、オスナ、サンタナの両外国選手も計3本塁打と迫力を欠く。
打順にも苦心しており、ここまでの28試合で25通りの組み合わせで臨んでいる。苦境の中、「若い選手はすごいチャンスだと思うし、反対に言えば(山田)哲人とかムーチョ(中村悠平)とかベテランが若い選手を引っ張ってくれるような打線であって欲しい」と高津監督。ただ、山田も中村悠も打率1割台と低迷。ここ数試合で、相手先発投手が左腕の時に4番に入っている主将の山田は「けが人が帰ってきた時に優勝争いがしっかりできるように、粘り強く戦っていきたい」と話しているが、そうした意気込みが力みにつながっているようで、好機での凡退が目立つ。
巨人との3連戦を前に高津監督は「相手を見ることも大事ですけれど、スワローズとしてどう戦っていくのかを見つめないといけない」と話している。