Smiley face
終演後、写真撮影に応じる(左から)大西順子さん、村上春樹さん、坂本美雨さん、マイク・スターンさん=東京都墨田区
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 作家の村上春樹さんが6月29日、すみだトリフォニーホール(東京都墨田区)で開かれたライブイベントに出演した。自身がDJを務めるラジオ番組「村上RADIO」の関連企画「村上JAM」の第3弾。今回は、「村上春樹 produce 村上JAM vol.3~熱く優しい、フュージョンナイト」(TOKYO FM主催)と題し、国内外の著名なジャズミュージシャンが演奏した。総合プロデュースを担った村上さんは、ミュージシャンの坂本美雨さんと司会をした。

 会場は約1800人の観客で満席だった。村上さんは「だんだん会場が大きくなってきて光栄です。次はマディソン・スクエア・ガーデンかな?と夢が膨らみます」と話し、笑いを誘った。今回のライブでテーマにしたフュージョンについて「1970年代半ばから80年代に一世を風靡(ふうび)したジャズスタイル」と紹介。「ジャズが行き詰まっていた時期に出てきたのがフュージョンだった。当時、息苦しい時代の窓を開けたような爽やかな風が吹き込んできた。そういう楽しさをもう一回リバイバルできたらと思って」と話した。

 音楽監督とピアノは第1、2弾に引き続き、村上さんと親交の深いジャズピアニスト・大西順子さんが務めた。ギターには、マイルス・デイビスのバンドメンバーとしても活躍したマイク・スターン、ベースはグラミー賞に3度輝いているジョン・パティトゥッチ、サックスにカーク・ウェイラム、ドラムスにエリック・ハーランド、トランペットに黒田卓也の各氏を迎えた豪華メンバー。前日に初めて顔合わせしたとは思えない、息のあった演奏を披露し、村上さんは「懐かしいけど新しい。すばらしい演奏だった」と称賛した。

 途中のMCでは、自身の「ア…

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