AKB48村山彩希さんの卒業コンサート=2025年5月6日、東京ガーデンシアター ©AKB48

 「シアターの女神」と呼ばれるAKB48の村山彩希さん(28)が15日、東京・秋葉原のAKB48劇場で開かれる卒業公演に臨む。劇場への出演回数は、グループ歴代1位となる1300回超。13年半にわたり愛し続けた場所に、ついに別れを告げる。

卒業コンサートで「劇場が好き」

 5月6日、東京ガーデンシアターで開かれた「卒業コンサート」。赤と白のドレスに身を包んだ村山さんは、一言一言かみしめるように言葉をつないだ。

 「最初は劇場のステージに立ちたくて出ていたんだけど、ファンのみなさんがつくってくれるあの空間、劇場が好きなんだなと気づきました」

 そのスピーチは、グループのホームであるAKB48劇場への愛に満ちていた。

「神7」絶頂期に加入

 2011年12月に13期研究生としてデビューし、「ゆいりー」の愛称で親しまれた。当時、前田敦子さんや大島優子さんら「神7(セブン)」と呼ばれる人気メンバーがグループを牽引(けんいん)し、絶頂期を迎えていた。

 AKB48に加入したメンバーの多くは、CDの歌唱メンバー、いわゆる「選抜」を目指す。ただ、選抜になれば歌番組などのメディア出演が増え、必然的に劇場出演は減る傾向にあった。

 村山さんが大切にしたのは、定員250人の劇場に少しでも多く立つことだった。ファンと近い距離で、自分のパフォーマンスを見せたかった。

 投票で選抜メンバーを決める「選抜総選挙」は、4年連続(15~18年)で立候補を見送った。

「劇場は非選抜」悔しい

 20年、劇場出演1千回を達成した。グループ史上、初めての偉業。AKB48のコンセプトである「会いに行けるアイドル」を体現した。

 「『劇場に立つメンバーは非選抜』みたいな常識がすごく悔しかった」。6日のコンサート後の取材で率直な思いを口にした。

 その後、卒業公演までの1カ月間「ファンの方の近くに行きたい」と劇場に立ち続けた。

 卒業公演は15日午後6時から。AKB48人生の集大成となるこの日、28回目の誕生日を迎える。

PROFILE

◆村山彩希(むらやま・ゆいり) 1997年6月15日生まれ、神奈川県出身。2011年、AKB48のオーディションに合格し、13期研究生として加入。13年に正規メンバーに昇格し、グループ51枚目のシングル「ジャーバージャ」(18年3月)で初めて選抜メンバー入りした。20年に劇場公演への出演1千回を達成し、今年5月6日時点の出演回数は1339回で歴代1位。

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