山梨県の長崎幸太郎知事と静岡県の鈴木康友知事は12日、富士山の来夏の登山規制の内容が両県で統一するのが望ましいとの認識をそれぞれ示した。
両知事はこの日、東京都内であった山梨県関係のイベントでそろって記者会見した。
来夏から規制を導入する静岡県は、須走、御殿場、富士宮の3ルートで、入山料4千円、登山道に設けるゲートを午後2時から翌午前3時まで閉鎖とする方向で調整している。山梨県も年内をめどに来夏の規制方針を固める方針だ。
静岡県の鈴木知事は規制内容を「できるだけ統一できるように調整している」と明かし、「富士山に来る観光客が戸惑わないように、両県で足並みをそろえることに大きな意義がある」と強い意欲を示した。
これに対し、長崎知事は両県には個別の事情があるとして「情報交換はしているが別々の議論」としたうえで、「調和がとれることが一番望ましい形」として「同じ水準にできればベターだ」との考えを示した。
長崎知事は、ゲート閉鎖時間についてはまだ地元との議論の最中としながらも、「弾丸登山防止に一番よい時間帯が何時かが重要。多少の微調整で(静岡県と)同様にできるのであれば望ましい」と述べた。
今夏に登山者の6割が利用する吉田ルートで登山規制を始めた山梨県は、通行料2千円と協力金1千円の2本立てだったが、登山者の受益者負担などの観点から通行料の引き上げを検討。弾丸登山防止のため、ゲート閉鎖時間も早める方向だ。