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茨城県

 茨城県教育委員会は、教員選考試験の1次試験で課している「教職専門」を2025年度から廃止することを決めた。7月23日に発表した。教員志願者の負担を減らし、減少傾向にある志願者を確保するのが狙いだ。一般選考枠での廃止は全国初という。

 県教委によると、一般選考枠では5月の1次試験で筆記試験として「教職専門」と「専門教科・科目」を出題してきた。「教職専門」は、教育法規や教育心理など教員として身につけるべき知識や教養を問うものだ。来年5月の25年度1次試験からは「専門教科・科目」だけの出題となる。

 県教委は、免許取得のために大学の教職課程で単位を修得していることや、試験合格後の研修を手厚くすることで、廃止しても教員の質は担保されると説明する。

 一方、転職者や民間企業と併願する新卒者の受験を促すため、民間の採用試験で普及している総合適性検査「SPI3」を活用した枠を1次試験に新設する。募集人数は200人程度。SPI3は思考力や新しい知識の応用力などを測るもので、全国のテストセンターやウェブ上で受験できるようになる。

 背景には、教員志願者数の減少がある。24年度の試験では、965人の募集枠に対し志願者は2911人。前年度より647人減少。受験会場別の志願者数をみると、首都圏の学生らを対象にした東京会場は655人で、前年度の1121人から大幅に落ち込んだ。

 柳橋常喜教育長は「さまざまな視点を持つ人が教員となり、子どもたちと向き合ってもらうため、選考試験の改善を検討した」と話している。(富永鈴香)

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