映画制作に取り組む盛岡白百合学園高放送部員ら=2025年3月13日、盛岡市、佐藤善一撮影

 来春の共学化を機に、盛岡白百合学園高校の放送部が制作に取り組んでいた映画が、このほど完成した。自然豊かな学園や盛岡の街並みを舞台に撮影し、高校生目線で盛岡の魅力を描いた。完成した作品は54分の「とある天使と学び舎(や)騒動」。6月28日に盛岡劇場で完成披露試写会を開く。

 2026年春の共学化が映画挑戦のきっかけになった。「生まれ変わっていく白百合のために、古き良き白百合と盛岡の魅力を映像に残そう」と、昨年夏から映画づくりが始まった。

 映画づくりを指導したのは、監督を務めた映像クリエーターの井手広法さん。井手さんは県内の放送部員を対象にした講習会で10年以上講師を務めている。部員たちと議論を重ねながら、半年かけてシナリオを仕上げた。3月には井手さんらの協力を得て、1週間かけて古い街並みが広がる紺屋町や土蔵が残る徳清倉庫で撮影。ポスターづくりやロケハンにも奔走した。

 映画には白百合の生徒有志や、県内高校の放送部員もエキストラで加わった。特別出演した俳優の渡辺裕太さんら出演者は約70人に上った。制作費を確保するため実施したクラウドファンディングは、全国から約88万円が集まった。当初は短編の予定だったが、54分の作品になった。

 11日に開いた完成発表会見で、映画チーフを務めた西島唯さん(3年)は「ロケ地や衣装、小道具選びまで、すべての制作に生徒が一から関わった。今の学び舎や街並みを、高校生の目線で記録したいというのが原点だった。自由で楽しい白百合の雰囲気が伝わる映画になったと思う」と話した。

 井手監督は「ゼロから一緒に考えて制作をスタートした。ハードルは高かったが、最終的に54分の作品ができたことはほとんど奇跡だ。広く見ていただき、彼女たちの熱量を感じ取ってもらいたい。国内外の映画祭へのエントリーも視野に入れたい」と語った。

 試写会は28日午前10時半、午後2時の2回上映。白百合の生徒や井手監督が舞台あいさつする。入場無料。

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