「HIKE!HIKETA―東かがわ国際芸術祭―」のものとみられるサイト

 瀬戸内国際芸術祭(瀬戸芸)の開催に合わせ、香川県東かがわ市を舞台に現代アートを展示するとした「HIKE!HIKETA―東かがわ国際芸術祭―」をめぐり、作品の出品者から「(作品の返却を求めても)作品が返却されない」などの声が出ている。地元の東かがわ市は19日、「イベントを企画した団体に活動実態がないことが判明した」とのコメントを出した。

 東かがわ国際芸術祭のものとみられるサイトによると、イベントは瀬戸芸の開催に合わせて、同市引田エリアで「回遊型の地域芸術祭」として現代アートを展示するとしている。

 東かがわ市によると、8月1日にこのイベントに出展した作家3人から「思っていた作品の展示方法と違う」「作品が返却されない」などの相談があったという。県警東かがわ署も同様の相談を受けているという。

 また、サイトには県や東かがわ市が協力団体として記載されているが、両自治体は否定している。

 県によると、東かがわ国際芸術祭の担当者から昨年度、瀬戸芸とは別に、県などが主催する芸術イベント「かがわ文化芸術祭」への参加と助成の応募があったという。担当者へのヒアリングや書類審査を経て助成金の交付を決定したが、書類に不備があり、実際に助成金は交付されていないという。

 東かがわ国際芸術祭のサイトには、県文化振興課と「連携」と記載されているが、今年度の「かがわ文化芸術祭」には応募しておらず、連携はしていない。県は担当者にサイトの記載を削除するように求めているが、担当者と連絡がとれないという。

 東かがわ市も、東かがわ国際芸術祭のサイトに市教育委員会が「後援」と記載されているのを把握し、19日には今年度はイベントの後援をしていないことを公表した。同市教委生涯学習課によると、今年2月には瀬戸芸と混同されるイベント名を変更するよう担当者に要望したが、担当者と連絡が途絶えたという。

 同市の上村一郎市長は取材に「イベントをめぐっては、作家から『被害を受けている』との相談も寄せられており、私たちも困惑している」と話した。

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