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地上の2地点間を高速で結んだり、地球周回の軌道上で宇宙飛行したりするスペースプレーンのイメージ図(上に載っている小さい機体)。打ち上げの際は、別の航空機で上空まで飛ぶ=スペースウォーカー提供

 東京理科大の野田キャンパス(千葉県野田市)。とある校舎の一角に、研究室でも教室でもなさそうな大部屋がある。そろいの黒い上着を着た大人たちが、パソコンの画面に向かっている。

 東京に本社を置く宇宙ベンチャー「SPACE WALKER(スペースウォーカー)」の宇宙輸送部だ。

 同社は宇宙と地上を往復する「スペースプレーン」の開発をめざしている。宇宙輸送部で働くのは、機体の構造や航法の制御、エンジンなどのエンジニアたち50人ほどだ。

 約40社のパートナー企業や宇宙航空研究開発機構(JAXA)の関係者が打ち合わせに訪れたり、オンライン会議で議論したりする。

 廊下を挟んでオフィスの向かい側には、スペースプレーン実験機の開発に取り組む機械航空宇宙工学科の研究室がある。大学の研究者や学生と連携しやすい環境だ。

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スペースウォーカーの創業者で取締役CTOの米本浩一さん=同社提供

 創業者で取締役CTOの米本浩一さん(71)が、2019年に九州工業大を退職して東京理科大教授に就任。野田キャンパス内に同社の開発拠点を設けた。

 九州工業大のころから、地上と宇宙を往復するスペースプレーンの研究と開発に取り組んできた。ロケットは使い捨てが当たり前だが、何度でも再使用できるようにできないか――。長年にわたって抱いてきた思いから、17年、スペースウォーカー社を立ち上げた。

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観測ロケット用のスペースプレーン(イメージ図)=スペースウォーカー提供

 開発計画は四つのステップか…

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