波乱の展開とは対照的に、その表情は穏やかだった。
ボッチャ男子個人(脳性まひBC2)の準々決勝で、東京パラリンピック王者の杉村英孝(42)=TOKIOインカラミ=が姿を消した。タイの選手を3―1とリードして最終エンドを迎えたが、目標球を囲んだ相手の陣形を崩せず、3―5で逆転負けした。
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「パワーと技術が足りなかった。強い者が勝つのが勝負の世界。悔しい気持ちは当然あるけど、やってきたことは出し切れた」。試合後、淡々と語った。
前回の2021年東京大会の個人戦で、日本勢初の金メダルを獲得。密集に乗り上げて目標球のそばでピタリと止める得意技は「スギムライジング」と呼ばれ、その年の新語・流行語大賞でトップ10にも選ばれた。
練習に向かう移動の電車内で…