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見ごろを迎えている菜の花畑。子ども連れや撮影を楽しむ人でにぎわっていた=2025年4月19日午後0時11分、東京都町田市野津田町、竹中美貴撮影
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 多摩丘陵の自然が広がる東京都町田市野津田町。里山としても愛されている七国山(ななくにやま)のふもとが、今年も黄色に染まった。約1万平方メートルにわたって風にそよぐ葉の花は、約30年前、地元の農家らが「農のある景色を残したい」との思いから栽培を始めた。地域の名所となった菜の花畑は、新しい交流を生み出す場にもなっている。

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 田園風景が広がる七国山地区は、1961年、自然的景観を保全しようと、都市計画法の「風致地区」に指定された。当時は高度経済成長期で、農地や山を切り開いての道路や宅地造成が進み、急激な都市化の流れのさなかにあった。90年代には市の「農あるまちづくり」の一環として、農業の知識を理解するための場「ふるさと農具館」が開館。この地ににぎわいをもたらそうと、様々な景観作物の栽培を試行錯誤の末、相性の良い菜の花とそばの二毛作が始まった。

 菜の花が咲く季節は、さえぎるものがなく大きく開けた空のもと、心地よい風が土や草木の香りを運んでくる。ここの菜の花は、見て楽しむだけではない。毎月1回、菜種油搾りの実演会も催され、市内外から多くの人が訪れている。

 4月下旬、実演会場の「ふる…

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