東京写真記者協会(新聞・通信・放送の34社加盟)は25日、優れた報道写真に贈る2024年の東京写真記者協会賞と各部門賞、奨励賞を発表した。
協会賞には朝日新聞社の「『泣いてもいいんだよ』 避難所で母との約束」が選ばれた。
帰省中に能登半島地震で被災した子どもたちが家族とともに体育館で避難する一夜を、内田光記者が撮影した(1月7日付朝刊などに掲載)。
内田記者は、石川県中能登町から帰省中に被災し、廃校の体育館に家族と避難した小学3年の原椿月(つばき)さんとその家族を取材した。大きな余震があった後、布団を頭からかぶって兄の優月(ゆづき)さんらと絵を描いていた姿を撮影。椿月さんが母親と「1日1回は泣いてもいい」と約束を交わしていたことなど、不安な中で耐えている様子を伝えた。
朝日新聞社はこのほか、一般ニュース部門(海外)の奨励賞に、藤原伸雄記者の「分断の行方は 混迷の米大統領選」、企画部門(国内)の奨励賞に5枚組みの「沸騰列島」(小宮健、細川卓、友永翔大、長島一浩、小林一茂の各記者)が選ばれた。
受賞作を含む約300点を展示する「2024年報道写真展」は12月11~22日に東京の日本橋三越本店、12月27日~25年1月6日(元日を除く)は銀座三越、1月11日~4月20日は横浜市の日本新聞博物館で開催される。