東京女子医科大学(東京都新宿区)の新校舎棟の建設工事をめぐり、業務報酬名目で計1億円超を不当に支払わせて同大に損害を与えたとして、警視庁は13日午前、同大元理事長の岩本絹子容疑者(78)=東京都江戸川区=を背任容疑で逮捕した。捜査関係者への取材でわかった。
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捜査関係者によると、岩本容疑者は2018年7月~20年2月、東京女子医大の新校舎棟「弥生記念教育棟」「巴(ともえ)研究教育棟」の2件の建設工事をめぐり、東京都台東区の建築会社社長の男性に対し、給与とは別に「建築アドバイザー」としての業務報酬名目で、大学に計約1億1700万円を不当に支払わせて、損害を与えた疑いがある。
岩本容疑者が指示し、男性が報酬を受け取っていたという。警視庁は、報酬の一部が岩本容疑者に渡っていたとみて調べている。
昨年3月の警視庁の家宅捜索を受けて設置された同大の第三者委員会の報告書によると、大学は16年、新校舎の建設や病棟の耐震補強工事などに向け、1級建築士の男性を雇用。岩本容疑者は18年7月~22年2月、給与とは別に業務報酬を支払ったという。
報告書は、これらの報酬はいずれも形式的に理事会などの承認を得ていただけで、実際には金額の根拠や業務内容などの具体的な説明や議論がされないまま決定したと指摘。中には男性が一部しか業務をしていない工事もあったという。
同大をめぐっては昨年3月、同大の同窓会組織「至誠会」の元職員が元事務長と共謀の上、勤務実態がないのに約2千万円の給与を至誠会から受け取った疑いがあるとして、警視庁が大学や岩本容疑者宅など十数カ所を関係先として家宅捜索していた。
第三者委員会の報告書は、岩…