公立中学校に、不登校の生徒のための分教室「チャレンジクラス」を設ける東京都独自の取り組みが始まって1年あまり。現場は試行錯誤しながら、個々に合った対応をするノウハウを蓄積してきた。不登校の生徒が増えるなか、受け皿としての役割は一層高まっているが、懸念点もある。
授業は少人数、進度も「自分のペースで」
中野区立中野中学校には、各学年にチャレンジクラス「N組」があり、1年生11人、2年生8人、3年生4人が所属している。
取材に訪れた7月半ば、3年N組は数学の授業中だった。
「1問目と4問目がわからなかったです」
因数分解に取り組んでいた生徒が声を上げると、教員はホワイトボードに図を書いた。そのヒントをもとに生徒が問題を解くと、教員は「ほら!できたじゃん」と明るい声を上げた。
N組の男子生徒(15)は「少人数なので、自分のペースで勉強できる。放課後にはクラスメートと教え合ったりしている」と話す。
■今年度は14校に拡大…