東京工業大と東京医科歯科大が統合し、東京科学大が10月に誕生した。世界トップ級の研究力をめざし、創薬に向けた新たな組織も立ち上げた。学生や研究者らの、草の根の融合も始まっている。
2日の記者会見で、古川哲史・執行役副理事は「統合して1+1が2になるだけではダメ。3にも5にも、あるいは10にならなくては価値がない」と力をこめた。
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統合の目玉として設立されたのが「中分子創薬コンソーシアム」だ。
中分子は、従来の薬(小さな分子)のように細胞の中に届きやすく、抗体医薬などの大きな分子のように特定の標的を狙い撃ちもできる期待の新世代技術。新型コロナの予防接種に使われるmRNAワクチンの実現で、世界的に注目されている。
「結局は人や熱意」 生まれる医工連携
この分野では、DNAとRN…