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無痛分娩のニーズを調べると…

 東京都は今年10月から、都内の指定医療機関で出産した都民を対象に、無痛分娩(ぶんべん)費用を最大10万円助成する。少子化対策につなげるねらいがあり、全国の都道府県で初めての試みだ。

【アンケート実施中】「産みの苦しみ」を考える

 都の補助制度は「少子化対策の一環」である半面、「おなかを痛めて産んでこそ母性が芽生える」「出産の痛みに耐えることは美徳」といった「産みの苦しみ」を重視する傾向に一石を投じる動きだ、という見方もあります。「産みの苦しみ」をめぐる価値観について、アンケートを実施中です(8月28日14:00まで)。

 小池百合子知事は「(妊産婦)それぞれの期待、希望をかなえられるような選択ができる環境をつくっていく」と意義を強調する。関連経費を含めて、2025年度は12億円の予算を確保した。

 出産に関する実態を把握するため、都は昨年8~10月にアンケートを実施し、23年度以降に出産した都民およそ1万人から回答を得た。回答者のうち約6割が無痛分娩を希望していた一方で、希望しながらも結果的に選ばなかった人に理由を聞くと、最多の「帝王切開など希望通りの分娩でなかった」(43.1%)に次いで、32.8%が「費用の高さ」を挙げた(複数回答可)。

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 都は昨年9~10月、分娩を扱う医療機関にも調査を実施。このうち、無痛分娩を扱う85施設では、無痛分娩のために必要な追加費用は平均12万3633円だった。

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