東京都内の東北新幹線下り線で、時速60キロで走行中の新青森・秋田行き「はやぶさ・こまち21号」の連結器が外れた事故で、JR東日本は11日、14日の上り列車から秋田、山形新幹線との「連結運転」を順次再開し、15日には通常ダイヤに戻す方針と発表した。電気的な異常により、連結器のロックを外す指示が繰り返し出ていたことがわかったとし、異常があっても連結が外れないようにする固定金具を新たに取り付けるとした。根本的な原因究明は続ける。
JR東によると、事故発生直後、停車中のこまちを点検したところ、連結器のロックを外す「連結錠てこ」が勝手に作動を繰り返しているのが確認された。何らかの異常により、てこを動かすシリンダーに圧縮空気を送る電気指示が複数回出ていたとみられる。過去に同様の事象は例がなく、なぜ異常が起きたのかの根本原因は不明という。
JR東は当面の対策として、ロックを外す電気指示が出ても連結が外れないよう、運転台にある圧縮空気の開閉器を固定する金具を製作。福島、盛岡両駅での連結作業の際、係員が取り付ける。
11日に記者会見したJR東の池田裕彦・新幹線統括本部長は「金具の強度や有効性は確認した。原因究明と恒久的な再発防止策に引き続き取り組む」と説明した。
分離事故は6日に発生。乗客計642人にけがはなかったが、東北、上越、北陸新幹線は約3時間にわたってストップした。東北新幹線では昨年9月にも同様の分離事故が起きていたことから、国の運輸安全委員会は今回の事故を重大インシデントに認定。JR東は東北新幹線と、秋田、山形新幹線との連結運転を取りやめている。