東北新幹線で17日に回送運転中の「E8系」車両が走行できなくなったトラブルで、JR東日本は18日、同じ日に他区間を走行中だったE8系3編成でも同様の故障が起きていたことを明らかにした。JR東は原因判明までE8系の単独運転を取りやめ、18日は21本が運休した。
宇都宮―那須塩原間=③=で17日午前に走行できなくなったのは、山形新幹線「つばさ」として2024年春にデビューしたE8系車両(7両編成)。車両メーカーから今月納車され、営業走行前の確認走行中だった。車内の各機器に電力を供給する「補助電源装置」が故障し、モーターの制御装置を冷却できなくなり、モーターが駆動できなくなったとみられる。
JR東によると、17日午後5時ごろまで続いた運転見合わせ中に、小山駅(栃木県小山市、④)に停車中のE8系「つばさ136号」と、郡山駅(福島県郡山市、②)に停車中のE8系の回送列車でも運転台のモニターに補助電源装置の不具合が表示され、運転を打ち切った。
午後2時40分ごろには、山形新幹線福島―笹木野間=①=を走行中のE8系「つばさ139号」でも故障表示があり、対応後に運転再開した。
E8系車両は全11編成あるが、故障が表示されたのは昨年11月以降に納車された4編成だった。JR東は「同じ日に同じ箇所の故障が生じたことを含め、4編成を中心に原因究明を進める」としている。
E8系の単独運転の見合わせにより、つばさの輸送能力は約6割に減少する。JR東は「お客様には最新の運行状況を確認してもらいたい」と話している。
17日の車両トラブルでは、東京―仙台間が約5時間半にわたって不通となり、上下86本が運休、約5万4700人に影響した。