東京大学は12日、来年の入試の概要を定めた入学者選抜要項を発表した。検討している2025年度入学者からの授業料の値上げについての発表はなく、会見で入試担当の藤垣裕子理事(副学長)は引き続き検討を進めると説明。「夏に検討の途中経過を発表し、11月までには(値上げするかどうかを)決定して発表する予定」と述べた。
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同大は毎年11月、入試に関して選抜要項より詳細に説明する募集要項を発表し、入試の手順などとともに授業料についても説明している。藤垣理事・副学長は12日、「現在、学内で丁寧にコミュニケーションのプロセスを踏んでいる」と述べたうえで、11月の要項公表までに方針を決定・発表すると説明した。
東大の学部と大学院修士課程の授業料は現在、文部科学省が2005年度に定めた標準額と同じ53万5800円(大学院博士課程は52万800円)。だが、国からの運営費交付金が増えないうえ、光熱費や物価の高騰もあり、東大は「教育・研究環境の国際化やデジタル化を進めるため」として、来年度の入学者から学部も大学院も、同省が認める上限(標準額の20%)まで増額し、64万2960円とする案を検討している。
関係者によると、大学側が5月に案を教職員らに示した際、6月下旬の役員会で決定し、7月12日に入学者選抜要項と合わせて発表したいと説明したという。
だが、一部の教職員や学生が…