14年前の2011年3月11日。勤めていた宮城県石巻市の中学校は、昼前に卒業式を終えたばかりだった。体育館には紅白の幕がはられ、お祝いムードに包まれていた。大津波が襲うまでは。
海に近いこの中学校で教えていた北川直子先生は今、滋賀県の彦根市立稲枝(いなえ)中学校で音楽を担当している。7日には、東日本大震災の翌月以降に生まれた1年生に、東北の地図や写真を示し、あの日の体験を語り始めた。
午後2時46分、教員はみな職員室にいた。その2日前の地震より、ずっと激しい揺れが襲った。
あのとき、学校の避難場所を移した
生徒は全員下校した後だった…