Smiley face
写真・図版
「あめだま」の主人公ドンドン ©Baek Heena, Toei Animation

 東映アニメーション製作の短編「あめだま」が、受賞こそ逃したものの第97回米アカデミー賞短編アニメ部門にノミネートされました。同社初の快挙を記念し、全国各地の19館で13日まで上映されています。「人形アニメ」風のCGは丁寧なつくりで素朴な味わい。ほのぼのしたユーモアと心にしみるストーリーとマッチして、見応えがあります。

 「ドラゴンボール」「ワンピース」など人気マンガ原作のビッグタイトルを幾つも世界に送り出していますが、会社自体の知名度を上げ存在感を示そうとオリジナル短編(原作は韓国の絵本)に挑戦、各国の映画祭で上映され、それがノミネートにつながりました。4日に羽田空港で帰国会見をした鷲尾天プロデューサーは、更に世界を意識した展開をやっていくとした上で、こう語りました。

 「『Flow』(で長編アニメ賞を受賞したギンツ・ジルバロディス監督)のような個人作家の資質、もしくは作品のイメージを持っている方が社内にもいると思うので、そういう方たちがきちんと世に出て行けるように、世界に出て行けるように、ピックアップして一緒に作っていくことを考えていっていいんじゃないか」(※「Flow」は3月3日の本欄「さすらおう、ねこの世界中を」参照)

  • さすらおう、ねこの世界中を

 おお、オスカーより夢のある話ですね! 東映アニメーション在籍時に「デジモンアドベンチャー」シリーズの劇場用短編&中編で注目を集めた若き細田守監督がそのまま東映でオリジナル長編を作る世界線が――。もとより「東映の演出家は東映を出たあと活躍する」と言われ続けて幾星霜、ベテランの鷲尾さんも思うところがあるのでしょう。

 「私は今、制作部の方の責任…

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