第107回全国高校野球選手権兵庫大会(県高校野球連盟、朝日新聞社主催)の組み合わせ抽選会が17日、明石市民会館であった。出場する164校、153チームの4回戦までの組み合わせが決まった。7月5日に開幕し、計9球場で試合がある。5回戦以降は改めて抽選をして決める。
抽選ではまず、今春の県大会で16強入りしたシード校が各ブロックの一番上に名を連ねた。その後、32強だった準シード校が各ブロックの一番下に割り振られ、残りのチームがくじを引いた。各校の選手らは緊張した面持ちで、校名が書かれた紙で対戦表が埋められていく様子を見つめていた。
開会式は6月29日午前11時からウインク球場(姫路市)であり、63チームが参加する。この日は試合はない。順調に進めば、決勝は7月27日、ほっともっとフィールド神戸(神戸市)である。
■見どころ
昨秋から県内と近畿で公式戦無敗の東洋大姫路が優勝候補の筆頭だ。昨年の報徳学園、一昨年の社と、春の選抜大会の出場校が夏の兵庫大会を制してきた。この流れを食い止めようと、報徳学園や神戸国際大付、明石商など実力校が追う展開になりそうだ。
東洋大姫路は第6ブロック。右腕の木下を軸に、春の県大会は5試合2失点。高畑や見村ら中軸の振りは鋭く、投打に充実している。昨秋の主戦右腕の阪下、左腕の末永が登録選手から外れており、変更があるか気になるところ。福崎や洲本などの公立勢が大本命に挑む。
連覇を狙う報徳学園は第12ブロックに入った。最速140キロ超の岡田ら3人の左腕を擁し、昨春の選抜大会準優勝を経験した二遊間、山岡と橋本が攻守の要。昨秋の県大会8強の西宮東のエース三浦は制球力があり、尼崎小田と科学技術も侮れない。
注目は第13ブロック。最速150キロ超で「二刀流」としても注目される新井を擁する滝川や、主将で遊撃手の藤原が攻守の軸の社などが入る。
第8ブロックも混戦模様。育英、関西学院のほか神戸弘陵が入り、甲子園出場経験のある強豪私学がしのぎを削る。
第3ブロックは、シードの網干が入った。27年度に閉校するため新入生が不在の中、春の県大会16強となった実力校。西脇工、小野など力のある公立勢が競り合う。
昨秋4強の三田学園は第14ブロックに。センターラインの守備が堅い姫路東や、昨春の近畿大会4強の須磨翔風も同じブロックに入った。
春の県大会5試合59安打と強力打線の神戸国際大付は第10ブロック。接戦を勝ち上がり春の県大会3位となった明石商が第7ブロックから優勝をめざす。
春の県大会で優勝した東洋大姫路、準優勝した報徳学園は、勝ち進んでも決勝までは対戦しない。
■選手宣誓・六甲アイランドの内田主将
開会式の選手宣誓に選ばれたのは、六甲アイランドの内田誠士(まさと)主将(3年)だった。約40チームから立候補があり、兵庫県高校野球連盟の橋本智稔会長がくじを引いて決まった。
沢井貴昭監督から立候補していると聞いたのは、当日朝だったという。「当たることはないと思っていたので、今は正直驚いています」。内容はこれから考えるが、「フェアプレー精神を大切にしているので、そんな言葉は盛り込みたいです」。
今春の県大会は8強まで進んだが、準々決勝で神戸国際大付にコールド負けした。「悔しさの方が大きい大会だった。この夏は甲子園を目指します」と抱負を語った。