(16日、第106回全国高校野球選手権大会3回戦 東海大相模8―1広陵)

 東海大相模の藤田琉生(りゅうせい)は、自身の強みを十分に理解している。「高校生はなかなかこの高さを経験したことがないと思う」

 高校入学から5センチほど伸び、現在身長198センチの左腕。高いリリースポイントから投げ下ろす直球は最速149キロを誇り、カーブとの緩急で打者のタイミングを外すのが持ち味だ。1回戦の富山商戦では7回無失点、13奪三振を記録した。

 この日は一回をたった4球で三者凡退に抑えた。しかし二回、2四球が絡んで先取点を許す。なお2死二、三塁。ここで広陵の9番山口大樹に124キロのカーブをファウルされた後、内角いっぱいの144キロで見逃し三振に退けた。

 試合前、30年以上の指導歴のある広陵・中井哲之監督は「あのくらい大きな左投手は見たことも対戦したこともない」と警戒した。藤田は三回以降は落ち着いた投球で、6回1失点にまとめた。

 チームは8強に一番乗り。夏の8強は2度目の日本一に輝いた第97回大会(2015年)以来だ。「自分らしさを出そうと思った」と藤田。活発な打線の裏で、エースが力投した。(高橋健人)

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