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東海道新幹線を走るN700S=JR東海提供

 長時間の大雨による東海道新幹線の運転規制の基準について、JR東海は30日、従来の降雨量から、線路を支える盛り土内の水分量を示す指標「土壌雨量」に6月から切り替えると発表した。近年は記録的な大雨が頻発していることから、盛り土の状態を数値化したうえできめ細かく運転規制を判断する。過去5年間の雨量データを新たな指標にあてはめると、運転規制は短くなる傾向がみられたという。

 地面に土を盛りあげ、その上に線路を敷く盛り土構造は、大量の雨が染みこむと崩れる恐れがある。1964年開業の東海道新幹線は全体の44%が盛り土構造であるのに対し、70年代以降に開業した山陽、東北新幹線などは主に高架橋上を走り、盛り土は1割ほど。このため、東海道新幹線は「雨に弱い」とされ、昨夏の台風10号では3日連続で計画運休した。

 現在は沿線59カ所に雨量計を設け、「時雨量」(1時間)、「連続降雨量」(24時間)、「10分間雨量」の三つの指標を運転規制の判断基準に用いている。このうち、連続降雨量に代えて導入する土壌雨量は、雨量計のデータをもとに降った雨が土壌に水分としてどれだけとどまっているかを示す指標。気象庁が土砂災害警戒情報などの判断基準とする指標と同じ計算式を利用し、雨量計ごとに規制値を設ける。

 JR東海は「土壌雨量は24…

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