【動画】東海道新幹線で運転見合わせ=読者提供

京都駅に停車したままの東海道新幹線。ホームで座り込む乗客の姿も見えた=2025年4月30日午後6時40分、京都市下京区、朝日放送テレビヘリから、水野義則撮影

 JR東海によると、30日午後5時半ごろ東海道新幹線の岐阜羽島―米原間で停電が発生した。この影響で下りが東京―新大阪間の全線、上りは浜松―新大阪間で運転を一時見合わせたが、午後7時ごろに再開した。

 同社によると、岐阜県大垣市内の線路内でヘビが死んでいるのが見つかっており、列車に電気を送る架線にこのヘビが接触してショートし、停電が発生したという。

 このため、上下線86本に最大96分の遅れが出て、約6万7千人に影響が出た。

 新幹線では、過去にもヘビが原因の停電が発生している。

 2013年7月、山形新幹線でヘビが変電所に入り込み、電気回路がショート。信号機器が焼損し、列車が1週間運休となった。ほかにも09年に東北新幹線、07年には長野新幹線(当時)と山陽新幹線でヘビが架線に絡まって停電した例がある。

「がくぜんとした」「どうしても帰りたい」

 30日午後7時前、名古屋駅は運転再開を待つ人たちで混雑していた。

 名古屋市昭和区の会社員男性(55)は母が亡くなったという知らせを受け、実家に帰ろうと博多駅に向かうところだった。「新幹線が再開するまで待つが、来ないなら他の方法を考えないと」と疲れた様子で語った。

 東京都大田区の男性(50)は、妻と2人の娘とともに伊勢志摩へ旅行に行った帰りだった。「宿泊しないと難しいのかもしれない。妻と娘は、寒くて何か着るものが手に入らないか探しているところ」と話した。

 出張で名古屋を訪れた会社役員の男性(60)は、東京都品川区の自宅に帰ろうとしていたがメドが立たず、「ホテルを取ろうかと思うが、どこも2万円以上して……」と困惑した表情。「あすの予定も変更しないといけない」と、家族や同僚に頻繁に電話をかけていた。

 新潟市から就職活動で名古屋を訪れた大学生の女性(22)は、「面接を終えて東京経由で帰ろうとしていた。あす授業があるので、どうしても帰りたい」と話した。

 JR新大阪駅の新幹線の改札前には、運転再開を待つ人たちが集まり、電光掲示板を眺めたり、スマホで運転情報を見たりしていた。午後7時ごろ、運転再開を知らせるアナウンスが流れると、「動くって」などと安堵(あんど)の声が上がった。

 会社員の鈴木達也さん(55)は、転勤で大阪から東京へ向かうところだった。駅に着いてから止まっていることを知り「がくぜんとした」。運転再開にほっとしたというが、「猫を連れているので、途中で止まったり、長引いたりしないか不安です」と話した。

記者が乗っていた新幹線も一時停車

 記者が乗った東京発博多行きの「のぞみ51号」は、午後6時前に掛川駅(静岡県)に一時停車した。車両の扉は開かず、乗客は車内から出ることはできなかったが特に混乱は起きず、運転再開を静かに待った。

 車内放送では、「現地には係員が到着しておりますが、安全確認に時間がかかっており、送電にはまだ時間を要する見込みです」と数分おきに繰り返しアナウンスがあった。

 停車から約40分後には、「長時間座ると体に負担がかかり腰痛などの原因になりやすくなっています。一度立ってストレッチするなど、体の負担を減らしてください」との放送もあった。

 一時停車から約1時間経った午後7時2分に運転再開した。

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