Smiley face
写真・図版
安全祈願のくわ入れをする黒岩祐治知事(左から5番目)ら=2025年1月8日、神奈川県藤沢市村岡東1丁目、足立朋子撮影
  • 写真・図版

 JR東海道線の大船(神奈川県鎌倉市)―藤沢(藤沢市)間に新設される「村岡新駅(仮称)」の本格的な工事に入る着手式が8日に開かれ、安全祈願のくわ入れなどがあった。JR東日本の矢野精一・横浜支社長は「管内の東海道線としては1925年の熱海駅以来の開業。それから100年の区切りの年に新駅に着手できることは喜ばしい」と述べた。

 新駅は大船駅から約2・6キロ、藤沢駅から約2キロの地点の旧国鉄の貨物駅があった場所に2032年ごろの開業をめざす。駅舎は3階建てで総事業費は約159億円。1日あたり約6万5千人の利用を見込んでいる。

 県と藤沢、鎌倉両市、JR東日本の4者が21年に覚書を締結。工事費などの負担割合は県が30%、藤沢、鎌倉両市がそれぞれ27.5%、JRが15%で、昨年5月に正式な協定を交わしたうえで、10月に着工していた。

 藤沢市はあわせて駅の南北を結ぶ自由通路も整備する。周辺の藤沢市村岡地区と鎌倉市深沢地区では約38ヘクタールの土地区画整理事業が進められているほか、新駅の近くには製薬や次世代医療など約190社が入居する研究開発拠点「湘南アイパーク」や湘南鎌倉総合病院などがある。県や両市は新駅を起爆剤に、健康・医療分野の産業や研究機関を集積させる新たな街づくりを描いている。

 黒岩祐治知事は「健康長寿社会をめざす神奈川県にとって、この地域が川崎のキングスカイフロントと並ぶ核となる」と述べた。

 一方、鎌倉市では深沢地区に市庁舎を移転させる計画に反対運動があり、松尾崇市長は「ご心配をおかけしているが、民主主義の中でより多くの方に納得いただいて必ず解決できると思っている」と話した。

共有