東京証券取引所が、新興企業向けの「グロース市場」について、上場を維持する基準の厳格化を検討している。株価が伸び悩む企業に上場廃止などを迫るが、有力政治家や起業家らからは懸念が出ている。
「キャラが立った、あるいは海外から認められる市場にしようと思えばある程度の摩擦はある」。東証を傘下に持つ日本取引所グループ(JPX)の山道裕己最高経営責任者(CEO)は28日の会見でこう述べた。
東証が検討するグロース市場の上場維持基準の改革案は、現行の「上場10年経過後に時価総額40億円以上」から「5年経過後に100億円以上」に変更するという内容。2030年以降に上場から5年経つ企業に適用する考えで、新基準を満たせない場合は上場廃止などになる。
「上場ゴール」回避へ
東証はグロース市場を「高い…