東京電力福島第一原発の廃炉工程

 東京電力福島第一原発の本格的な燃料デブリの取り出し開始時期が、後ろ倒しになった。最難関の作業が遅れることになるが、東電は2051年までとする廃炉完了の目標は維持する考えだ。

 東電福島第一廃炉推進カンパニーの小野明代表は29日の記者会見で「廃炉完了目標時期を否定する状況ではない」と繰り返した。

 廃炉は、政府と東電が11年12月にまとめた中長期ロードマップ(廃炉工程表)に基づいて東電が進めている。これまでも、使用済み燃料の取り出し作業や、2号機の燃料デブリの試験的取り出しの開始時期など多くの作業が遅れた。工程表は改訂を重ねたが、51年までの廃炉完了という大枠は維持されてきた。

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記者会見する東京電力福島第一廃炉推進カンパニーの小野明代表(左)ら=2025年7月29日、東京都千代田区、小川裕介撮影

 今回、3号機の燃料デブリの取り出し開始時期は明らかにしたが、作業期間は「不確かさがある」として示していない。さらに1~3号機で推計880トンのデブリがあるが、1、2号機は工程も工法も決まっていない。

 小野代表は会見で、今後1~…

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