株主代表訴訟で提訴された東京電力の勝俣恒久元会長(中央)。昨年に亡くなった=2007年7月20日、東京都千代田区大手町

 判断ミスをした東京電力の旧経営陣は、13兆円の賠償金を支払え――。福島第一原発事故の責任をめぐり、一審・東京地裁は3年前、過去最高額とみられる巨額賠償を命じた。6日に判決を言い渡す二審・東京高裁は、旧経営陣の責任をどう判断するのか。

 株主側弁護団の海渡雄一弁護士は判決を前に、「未曽有の大事故が起きたのに、誰も責任を取らないのは許されない。高裁には賠償命令を維持してほしい」と強調する。

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 訴訟は、40人以上の東電の株主が起こした。勝俣恒久元会長(昨年に死去)や清水正孝元社長ら旧経営陣が、津波対策を怠った結果、原発事故が起きて東電に損害を与えたと主張。旧経営陣5人に、23兆円を東電に払うよう求めている。

 2022年の一審判決は、旧経営陣が判断を誤り事故を招いたと認定。13兆3210億円を支払うよう命じた。旧経営陣側と株主側の双方が控訴したため、賠償命令は確定していない。

賠償額ゼロ「可能性は十分ある」

 超高額の賠償命令は高裁で維…

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