野球を通じて能登半島地震の復興につなげたいと石川県七尾市で野球教室を開催した松井秀喜さん(前列左)。恒例となったフリー打撃では8スイングで2本の柵越えを放った。特別ゲストとして参加したイチローさん(右端)が見守った=9月2日、遠田寛生撮影

 大リーグのヤンキースなどで日米507本塁打を放った松井秀喜さん(51)は、笑顔を交えながらしみじみと言った。

 「お子さんたちにとって、本当に夢のような時間になったと思う。数時間ですけど非日常を感じて新たなエネルギーをため込んでくれたのでは」

 2日、石川県七尾市で小学生を対象にした野球教室を開いた。

 隣には、マリナーズなどで日米通算4367安打を放ち、1月にアジア出身で初めて米野球殿堂に入ったイチローさん(51)がいる。

 イチローさんも「松井選手といる時間は気持ちいい」と返した。

 プロ野球と大リーグで、日本野球界の一時代を引っ張った2人が、能登で豪華共演した。

 松井さんが代表理事を務めるNPO法人「松井55ベースボールファウンデーション」が主催したイベントだ。抽選で選ばれた石川県能登北部および中部在住の小学4~6年生約50人が参加。2人はキャッチボールや打撃、守備などを教えた。

 この日の趣旨は、2024年元日に起きた能登半島地震の復興支援だった。野球を通じて子どもたちを笑顔にしたい、能登に元気を届けたい――。

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松井秀喜さん(上段、右端)とイチローさん(上段、左端)。最後は子どもたちと笑顔で記念撮影をした=9月2日、遠田寛生撮影

 そんな松井さんの思いに、オリックスに在籍した95年に阪神・淡路大震災を経験しているイチローさんが賛同した。「能登で大変な被害に遭われた方の痛みや苦しみ、悲しみを、どうしても想像する」

「松井選手とできたら一番いい」

 イチローさんが復興支援にど…

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