第107回全国高校野球選手権大会(朝日新聞社、日本高校野球連盟主催)に出場する松商学園は、岡山学芸館との初戦に臨む。松商学園の松宗勝監督と岡山学芸館の佐藤貴博監督が阪神甲子園球場で対談し、相手チームの印象や試合のポイントを語った。
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――相手チームの印象は。
佐藤監督(岡山学芸館) 左投手の加藤投手、森田投手がしっかりしていて、勝負どころで三振が取れるところが失点の少なさにつながっている。(長野大会で)7試合無失策で、しっかりとした野球ができるチームという印象を持っている。
松宗監督(松商学園) 青中投手と佐藤捕手のバッテリー中心に、きちんとプレーができる。一人ひとりが役割、決まり事を徹底しているのが伝わってくる。昨年の甲子園の経験もあり、非常に力のあるチームだ。
――警戒する選手は。
佐藤 特に投手(加藤、森田の両投手)の出来が一つのカギではないかと思う。私たちには昨年の(甲子園の)経験者が8人いるが、(当時の)3年生が中心だったので、挑戦者の気持ちでやっていかないといけない。
松宗 青中投手はもちろん、打線では4番の繁光選手が勝負強く、打点も多い。1、2、3番の明楽選手、藤原選手、又吉選手でアウトが取れるかがカギになってくる。
――自身のチームでカギを握る選手は。
佐藤 エースの青中の出来は大きい。あと岡山大会ではチームで5失策といつもより多かった。その四つをチームの顔の又吉がしたのは計算外だったが、決勝では普段通りしっかり守ってくれた。青中と守備、それと(捕手の)佐藤のリード。この三つがポイント。
松宗 投手中心に守りから(リズムをつくる)というところなので、加藤、森田の出来が最大のポイントだ。打率は(全49代表の地区大会の成績で)最下位なので、少ないチャンスをどうやってものにするか。全員で何とか食らいついていきたい。
――試合展開の予想、理想は。
佐藤 接戦は嫌だが、接戦になると思う。攻撃面でも守備面でも似ているところが多い。(松商学園は)無死満塁でもスクイズをしてくるチームだ。しっかり分析して采配したい。
松宗 長野大会からロースコアだったので、そういう展開になんとか持ち込めればいい。前半の一~五回の戦いがカギになってくる。
――似ているチームと言われているが、その中でどう戦っていくか。
佐藤 堅くいきすぎないようにしたい。送りバント、スクイズなど、こういう舞台ではいつも通りにならないことが今までの経験でもある。背伸びせず、できることを一生懸命にやるということを一つのテーマにしていけたら。
松宗 映像もたくさん出ている時代で、いろんなデータ、特徴が(映像から)見えてくる。ただ、選手には(相手に)対した時に感じるものや、その中で自分たちで考えるというところを大切にして戦ってほしい。
――チームの状態は。
佐藤 青中の岡山大会の疲労は試合までにはとれる。打率は2割9分ほどだったが、四死球が33あった。そこは大切にしていきたい。こういうところで活躍したい、打ちたいという欲が出て、違うことをやろうとしてしまうこともある。その辺はきちっと締めていきたい。
松宗 私たちは長野大会の決勝の次の日に紅白戦をやった。どうしても甲子園に出て満足してしまうというのが以前もあったので、休みなくここまで来た。暑さは心配だったが、選手たちの動きはいい。この状態を維持したい。
――初戦への意気込みを。
佐藤 うちが優位立てるところは、経験者がいることだけ。試合まで日程が空くので、心や頭の調整もしっかりして、一戦必勝で戦っていきたい。
松宗 素晴らしい雰囲気の中で試合ができる喜びを感じつつ、いつも通りのプレーができるかがポイントになってくる。しっかりと選手たちと話をして、調整していきたい。
――地元で応援している方々に一言。
佐藤 岡山県の代表として2年連続で出させてもらう。昨年、その前(2019年)もベスト16だったので、ベスト8以上を目標にやっていきたい。
松宗 応援されるチーム(になる)ということでやってきた。昔から地域の方々に支えられてきた。当日、ぜひアルプススタンドに足を運んでいただき、大きな声援をいただければ。