東京都板橋区の坂本健区長が、2023年4月にあった区長選の選挙運動費用収支報告書や後援会の政治資金収支報告書に誤りや不記載があったとして、各報告書で計50カ所以上を修正したことがわかった。区長側は「事務的ミスだった」と説明している。
坂本区長は07年に初当選し、現在5期目。23年の区長選の選挙運動費用収支報告書では当初、政治団体や個人から区長自身に対し、計264件、572万5千円の寄付を受け取ったと記載されていた。
しかし、坂本区長の後援会と選挙の事務担当者によると、実際は寄付の多くが区長ではなく、後援会で受け取っていたという。そのため計131件、約390万円分の寄付を削除し、その分の収入として「自己資金」や不記載となっていた自民党都連からの30万円の寄付を追記するなどした。
あわせて、後援会の23年分の政治資金収支報告書も訂正。21年分では都医師政治連盟板橋区支部からの寄付30万円の不記載があり、これも訂正された。
いずれも、朝日新聞から不記載の指摘を受けた後に訂正された。事務担当者は取材に、選挙運動費用と後援会の口座を兼用していたため、誤認したなどと説明。坂本区長は「事務体制の不具合が原因の大部分を占めると考えており、反省している」と文書で回答した。