海上自衛隊の潜水艦修理を巡り、川崎重工業が架空取引や乗組員らへの物品供与などを約40年間、組織的に続けていた。裏金づくりも約20年間に及ぶ。同社が27日公表した特別調査委員会の中間調査報告は、前例踏襲に陥り不正を見過ごしてきた、事なかれ主義の風土を指摘した。裏金づくりに協力した下請け企業も「悪事」と知りつつ声を上げられずにいた。

  • 「世界の川重」の裏金づくり 「やはりばれた」下請け社長は覚悟した
特別調査委員会の渡辺徹委員長(手前)の発言を聞く橋本康彦・川崎重工業社長(中央)=2024年12月27日午後7時43分、東京都港区、菊池康全撮影

 「やって当然という風潮があった」「自分がやらなくても誰かがやる」

 川重が27日公表した特別調査委の調査報告からは、川重の現場が、潜水艦乗組員らへの物品や金券などの供与は、業務や意思疎通を円滑にするための「必要悪」ととらえていた実態がみてとれる。

 不正の呼び水となったのは…

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