柏崎市の除雪車を使って、作業を進める自衛隊員=2025年1月25日、新潟県柏崎市女谷、戸松康雄撮影

 東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の重大事故に備えた広域避難計画「緊急時対応」案について、政府や自治体でつくる協議会は11日、国の指針に照らして問題ないと確認した。

 今後、原子力防災会議(議長・石破茂首相)で了承される見通しだ。これで再稼働の前提となる国の手続きがほぼ終わるが、地元自治体の同意は得られていない。

 緊急時対応は、重大事故に備え、原発の30キロ圏の自治体がつくる避難計画や国の支援などをまとめたもの。国の安全性の審査とともに、原発の再稼働の条件となる。

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6、7号機の中央制御室。正面のパネルに6号機の各種機器の状況が示される=2025年3月22日、新潟県の東京電力柏崎刈羽原発、戸松康雄撮影

 柏崎刈羽原発の30キロ圏には9市町村が含まれ、人口は約41万6千人。事故の状況や住民の病状などに応じて避難先やタイミングを設定している。屋内退避中でも、生活物資の受け取りや屋根の雪下ろしなど、生活に必要な外出ができると明記した。

 また、昨年1月の能登半島地震で複合災害への懸念が強まったことから、豪雪時に放射性物質が放出される事故が起きた場合、警察や消防、自衛隊が人命救助のために除雪作業をすることを盛り込んだ。内閣府は疑問に答える「QA集」も作った。

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