定例記者会見で話す新潟県の花角英世知事=2025年5月14日、新潟市中央区、井上充昌撮影

 新潟県は16日、東京電力柏崎刈羽原発(同県)が事故を起こした際に、周辺地域の放射線被曝(ひばく)線量を予測したシミュレーション結果を発表した。同県の花角(はなずみ)英世知事は、再稼働の是非の判断にあたって四つの「議論の材料」が必要と主張しており、これで出そろった形となる。

 花角知事は2023年に「議論の材料」として、①福島第一原発事故の「三つの検証」②柏崎刈羽原発の運転禁止命令の解除③同原発の安全性確認④事故を想定した被曝シミュレーションの作成など避難を巡る取り組み――を挙げた。①~③は今年2月までに決着していた。

 この日公表したシミュレーションでは、柏崎刈羽原発の発電出力や周辺の風向きなどの条件を当てはめて事故時の影響を検討。その結果、放射線の被曝線量が国際基準を上回るのは原発から5キロ圏内にとどまる、とした。

判断の時期は見通せず

 一方、花角知事は再稼働の判…

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