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盗撮容疑で教員が逮捕された事件を受けて開かれた栃木県立学校の臨時校長会=2025年8月27日、宇都宮市の県総合教育センター、津布楽洋一撮影
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 栃木県立高校の男性教員が勤務校で盗撮した容疑で逮捕されたことを受け、県教育委員会は27日、宇都宮市の県総合教育センターで、再発防止の徹底を図る県立学校の臨時校長会を開いた。冒頭で中村千浩教育長は「本県の教育そのものが危機的な状況にあると言わざるを得ない。不安を感じている多くの児童生徒や保護者の皆様におわびを申し上げる」と謝罪した。

 会議には全校長74人が参加。事件について中村教育長は「本来、子供を守り育てる立場にある教員が、安全安心な環境であるべき学校で行っていたということ、長期間にわたって盗撮が行われていた可能性が高いなど、本県教育の信頼を著しく失墜するもの。これまでの不祥事防止の取り組みについて見直す必要があり、決して他人事にしてほしくない」とし、各校長に「人として、大人としての倫理観の醸成と、教員としてのプロ意識の醸成を重ねてお願いする」と呼びかけた。

 会議は冒頭以外は非公開だった。県教委から、学校施設への入退室の管理、カギの管理、施錠の時間の徹底などについて要請や説明があったという。会議終了後に取材に応じた中村教育長は「我々が今、考え得る取り組みの周知徹底をお願いした」と述べた。

 今年、名古屋市で発覚した小学校教員らの盗撮事件のあと、文部科学省は都道府県教委などに服務規律の徹底を通知。これを受けて県でも7月に各学校に点検を依頼したが、今回の事件で見つかった小型カメラは確認できなかった。

 中村教育長は「カメラはないだろうではなくて、あるかもしれないという意識を持って安全点検を強化してほしいとお願いした」。各市町の教育長に対しても、県立学校と同様の対応を求めたという。

 会議に出席した県高校長会の吉田真樹会長は「生徒の安全安心な教育活動ができるように、危険な箇所の点検は各学校が定期的にやっているが、盗撮の案件も点検項目に入れて、しっかりとやっていきたい」と述べた。「県民の皆様の協力があって学校の教育活動は成り立つもの。校長会としても信頼回復に向けて取り組んでいきたいと思っている」とした。

 盗撮の疑いがある男性教員は13日に逮捕された。その後、この教員が以前勤めていた別の学校でも11台の小型カメラが見つかっている。

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