長崎に投下された原子爆弾「ファットマン」のプルトニウムなど核戦力生産の拠点になった街を舞台に、いまなお住民が抱く誇りや苦しみを描いたドキュメンタリー映画「リッチランド」が今夏、6日の東京を皮切りに、各地で順次公開される。このほど米国人のアイリーン・ルスティック監督(49)が被爆地・広島を訪れ、「この地での上映は、『和解』が実現可能なのか否かをより一層考えさせてくれると思う」と語った。
リッチランドは、米北西部にある街の名だ。原爆開発「マンハッタン計画」の拠点の一つだったハンフォード核施設の周辺に位置し、そこでのプルトニウム製造を支えた。
その歴史は、人々の誇りになっている。地元高校のシンボルマークはキノコ雲をデザインしたもの。アメリカンフットボールのチーム名は「ボマーズ(爆撃機)」で、ヘルメットにはB29のマークがある。「核開拓の日」を街を挙げて祝い、パレードが練り歩く。
「理解に苦しむかもしれないけれど」
一方、チェルノブイリ原発事…