教員団体から千葉市教委に出されていた推薦名簿。氏名や所属のほか、「まじめな働きぶりで、研究にも熱心に取り組む」といった人物評なども記されている=井上昇撮影
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 校長らの人事に絡み、相模原、千葉、浜松、大阪の4市教育委員会が外部の教員団体から推薦名簿を受け取っていたことが分かった。朝日新聞が全国の都道府県と政令指定市の教委にアンケートした結果、判明した。教員出身者だけで人事案をつくっている教委もあり、専門家は「内輪で人事が行われる恐れがある」と指摘。教員人事の公平性を疑わせかねない慣習が一部で続いていることが浮き彫りになった。

 名古屋市教委が推薦名簿と金品を受け取っていた問題を受け、朝日新聞は4~5月、47都道府県と名古屋市を除く19の政令指定市の教委に、校長や教頭(副校長)の人事に絡んで推薦名簿や金品を受け取っているかを尋ねた。全66教委が回答した。

 昨年度に推薦名簿を受け取ったと答えたのは相模原、千葉、浜松、大阪の4市教委。いずれも校長会や教科などの研究会、大学の同窓会組織など外部の教員団体から提出されていた。金品を「受け取っている」と答えた教委はなかった。

名簿受け取った市教委、人事への影響は

 相模原市教委は、毎年春ごろ、校長と副校長の昇任試験について受験対象者の名簿作成を校長会に依頼していた。次年度に必要となりそうな校長・副校長の人数の目安を示した上で、同程度の人数の氏名を記載してもらっていたという。

 同市教委はこの名簿を参考に…

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